特集 病名を告げえない状況のなかで
知られないための環境作りを—予後不良患児を看護する中で
奥津 喜久
1
1神奈川県立こども医療センター学童内科病棟
pp.1283-1288
発行日 1979年12月1日
Published Date 1979/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918836
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はじめに
最近,死にゆく児たちへの看護について,いろいろな面からのアプローチが発表されているが,病名告知問題に関しては当センターでは予後不良疾患児には,病名を教えない方針をとっている.小児にとって死を現実のものとして受けとめられるようになるのは,9歳前後からといわれている.
当内科系学童病棟で,一番看護側が苦慮することは,やはり予後不良疾患児へのかかわりであろうか.病気に疑問を持つ児,不安を抱く児,入院生活をともにする他児との関係の中で起こる問題など様々にある.今回のテーマにそえるかどうか確信はないが,当病棟での日ごろの看護の実際を述べながら,患児への病名告知の問題について考えてみたい.
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