——
看護教育(看護婦学校)カリキュラムの現状と今後の課題
吉田 政江
1
,
加藤 和子
2
,
浅川 明子
3
1関東労災高等看護学院
2自衛隊中央病院高等看護学院
3神奈川県立看護教育大学校
pp.433-439
発行日 1976年7月25日
Published Date 1976/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907005
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
昭和42年12月,保健婦助産婦看護婦学校養成所指定規則の改正が行われ,新しい教育理念に基づいたカリキュラムがスタートした.このカリキュラムの主旨は,専門職業人としての看護婦の育成を目的に,人格の形成と専門技術の基礎的理解および応用能力を養うことを主眼としており,看護教育の独自性を強調している.
改正後7年が経過した今日,教育の成果は看護界はもちろん広く社会においても問われ,多くの問題が指摘されている.その中でも看護教員として痛感することは,カリキュラムが形式的に受け入れられ,主旨が教育実践に十分生かされていないことと内容の過密な教育の実態である.人間形成の主張は,一般教育の充実を求め,医療の高度化,情報の多量化は教育内容の過密を余儀なくさせてきた.これらの状況の中で組まれたカリキュラムが,断片的,非系統的な知識の洪水となって学生に与えられ,教育関係者をはじめ学生からの批判を受けているのが現状である.このような状態を解消し主体性,発展性のある専門職看護婦の育成を可能にするためには,いくつかの問題を解決しなければならない.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.