成人看護学各論の授業展開
Ⅳ.血液・造血器疾患患者の看護
高木 永子
1
,
秋山 光子
1
,
熊谷 智子
1
1東邦大学高等看護学校
pp.425-432
発行日 1976年7月25日
Published Date 1976/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907004
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はじめに
本校の成人看護学各論の指導展開のうち,血液・造血器疾患患者の看護を消化器・呼吸器・循環器疾患患者の看護の指導についで4番目に配列したその理由は,血液の量・性状が,解剖・生理学的に前3器官系の状態に常に左右されたり,逆に影響を与えたりするので,これらの学習終了後が,学習の動機づけ,理解を最も容易にすると考えたからである.
血液は,身体のすべての細胞に酸素や栄養を与え,不要となった代謝産物を排泄器官に運搬する作用をもち,生命の源泉として身体各部の活動に不可欠である.血液の性状を変化させる要因は種々あるが,なかでも消化器系の血液の貯臓や破壊,呼吸器系のガス交換などは主要因子として挙げられ,その血液循環の原動力は心臓の拍出力である.従って,消化器系,呼吸・循環器系に障害があれば血液はその目的を果たすことが困難となる・また消化器系,呼吸・循環器系が正常であっても血液・造血器系に異常があれば,呼吸・循環器系に負担がかかるのみでなく,消化器系にも反映し多彩な症状を呈する.そこで,学生には既習の器官系の疾患患者の看護と,血液・造血器疾患患若の看護を関連づけながら,指導をすすめていきたいと考えている.
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