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保健婦による学生指導の反省
山口 千鶴子
1
1元:京都市保健所
pp.440-443
発行日 1976年7月25日
Published Date 1976/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663907006
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はじめに
看護学生の保健所実習は,毎年繰り返し行われているが,長い期間に学生も,看護教育も,また私自身もそれぞれに変わってきた.特に総合医療・総合看護を模索する中で,さまざまな問題を抱えながらも,昭和43年に看護教育が,46年に保健婦・助産婦教育が大幅な変革をみ,保健所実習の在り方もまた大きく変化しなければならなかった.
それまでの保健所実習といえば,保健所活動の全般的見学にとどまり,訪問指導は保健婦の訪問を見るだけに終わっていた.そのような中で,新しいカリキュラムを理解することは,古い教育を受けた私にとって大変なことであったが,幸いに私の所属した保健所では係長によって学習がなされ,また46年の厚生省主催の保健婦実習指導者講習会に参加することができ,おぼろげながら教育の理想とするものを理解できたと思っている.それだけに学生指導を担当することが重荷となり,学生を迎えるたびに,これでよいのだろうかと問い続けてきた数年であった.とはいえ膨大な業務量と慢性的な人員不足の中で,入れ替わり立ち替わり訪れる学生への指導は,その時その時の反省はあっても,実習日誌など学校に持ち返られ,指導の適不適を検討する資料すら残していなかったのが現実でもある.幸い教務ならびに学生のお話しが得られたので,実習日誌を資料として保健婦による指導の反省をしてみたい.
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