未知の看護書をたずねる・11
“医疾令”
山根 信子
1
1東海大学医療技術短期大学
pp.379-382
発行日 1976年6月25日
Published Date 1976/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906998
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“医疾令”
このシリーズの最後として今回は,日本最古の看護制度がうたわれている“医疾令”を紹介する。ここで紹介する“医疾令”は国立国会図書館に収められているものである.原典は散逸していて現在では,いろいろの記録から寄せ集めて27か条が知られているという.その27か条の写本である.最終ページの欄外に,‘嘉永甲歳季中冬以(1854年)の家君手鈔本校読了清川孫’(写真1)と書かれているところを見ると,比較的新しい写本のようである.
“医疾令”は,718年(養老2年)に大宝律令が改正されて‘養老律令’となり,この中の医事制度としてあるものである.奈良時代の医事制度を明らかに知ることのできるたいそう貴重な資料である.
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