未知の看護書をたずねる・8
小児養護書 その1
山根 信子
1
1東海大学医療技術短期大学
pp.44-49
発行日 1976年1月25日
Published Date 1976/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906955
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香月牛山著の“小児必用記”は,江戸時代の代表的な小児養護の文献の1つとされ,1714年(正徳4年)に刊行されている.本書表紙の題名は“小児必用記”となっているが,石原明・他著の“看護史”(医学書院発行,1971年)には“小児必用養育草”と紹介されている.これはふだん第1巻本文の巻頭に‘小児必用養育草’と書いてある部分を取り上げられたのではなかろうか.
また,中野操著の“増補日本医事大年表”(思文閣発行,1972年増補版)によると,この“小児必用記”に先立つ1703年(元禄16年)に同著者の“小児養育草”が刊行され,1714年に“小児必用養育草”が刊行されたとなっている.しかし本書の序文から推察すると,増補されていて同一の書のように思われる.なぜならば,杏三折の序文の日付は正徳甲午春となっているが,次の序文には元禄16癸未歳となっているからである.
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