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臨床教育活動の一考察
岡崎 節子
1
,
中桐 佐智子
1
1順正短期大学
pp.213-216
発行日 1974年3月25日
Published Date 1974/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906761
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I.諸論
新しいカリキュラム(以下新カリと略す)による看護教育が発足して既に5年,ようやくその教育効果についても一定の評価が下されようとしており,発足に際して指摘されていた数多くの問題点についても,具体的な実証として解明されつつある1-3).既に筆者らも‘新カリの経過と現状’と題して,新カリ実施に伴う教育環境の変化を数的に評価すると共に,教育実践を通じて理解されている教務主任の‘新カリ’に対する認識を調査し報告した4,5).
新カリ発足に伴って,看護教育の中に疾病別ではなく,疾病に羅患した人間としての患者を中心とした,論理的に一貫した看護実習の在り力が追求されることになった6,7)とはいえ,その教育実践の場面としての教育環境を規定している現行医療制度,さらには教育実習病院の看護体制と新カリにおける看護実習計画との間には大きなギャップがあり8),しかも数的には減少はしたものの,全教育時間数の大半を占める臨床看護実習9)の内容を充実し,新カリの採用によって意図した教育効果10)をあげるには,極めて数多くの困難な作業が要求されるといえよう.その意味で,今日なお現行の看護教育要員として,とかく軽視されがちな11)専任臨床指導教師に対する要求を検討し,その業務の在り方と今日の看護教育体制の中での問題点を検討しておくことは,今後の看護教育の在り方を検討するうえで,極めて重要なことといえよう.
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