特集 大都市での活動を模索する
都市部における保健婦の活動についての一考察
池田 輝政
1
1横浜市文化振興財団
pp.373-375
発行日 1998年5月10日
Published Date 1998/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662901771
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はじめに
保健婦の役割についていろいろと議論されていることは脇に置き,筆者自身に専門的知識があるわけではないため専門的領域は除いたうえで,本稿では保健所業務に就いた経験からの問題提起をしたい。
保健所の業務はまさに多岐にわたっている。その中でも,各種の検診業務を含めて保健婦の役割は相当複雑かつ高度化してきているのではなかろうか。そして,ニーズという得体のしれないものに追いかけられている保健婦のジレンマと,保健婦としての意識そのものか保健婦業務の執行方法かの区別は困難であるが,保健婦の活動が保健所そのものであるかのような保健婦の意識が保健所の運営に軋轢を生じさせている面があるように思われる。そこには,旧保健所法を中心とした保健所の管理体制自身の問題もあるのであろうか。
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