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実習時期による学生に対する受持患者の反応の相違
丸橋 佐和子
1
1大阪大学医療技術短期大学部看護科
pp.204-212
発行日 1974年3月25日
Published Date 1974/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906760
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はじめに
看護教育における臨床実習は,学生にとって学内で学んだ各教科目を,実際に患者の看護として,どのように展開するかという看護展開の基礎を学ぶ上で,欠かすことのできない授業である.しかし,対象となる患者は疾患をもち,入院生活への適応に対する不安等多くの不安をもっている.その人々に対して,未熟な学生が看護に当たることは,患者の不安感を増すことになり,また,それによって学生の存在を負担に感じさせるなど,学生実習による悪影響のあることも考えられる.この悪影響について,学生指導に当たる者として,最も留意して指導しなければならない要点の1つであろう.
学生が受持患者にどのような影響を与えているかについては,すでに調査しその結果は報告1)したが,全体的には好評であった.しかし本学では,3年次に集中して受持患者を中心に臨床実習を行っているので,その実習始めの前期と,ある程度経験を経た後期とでは,患者への影響がみられる.そこで今回は,その実習開始よりの時期による,学生の患者に与えた影響差について検討したのでこれを報告する.
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