研究
専門職化をめぐる看護婦・看護学生の意識構造
天野 正子
1
1東京教育大学大学院博士課程社会学
pp.181-200
発行日 1972年1月15日
Published Date 1972/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200284
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はじめに
ここ数年来,看護婦不足はくりかえし問題にされ,供給量の増大をはかることが緊急の課題とされてきた。にもかかわらず事態はいっこうに改善されることなく,医療サービスの水準低下は大きな社会的不満をもたらしている。なぜ看護婦は不足しているのだろうか。
全国で看護婦の有資格者(准看を含めて)は約50万人にのぼると推定されている。しかし,依然として不足が解消されないのはなぜか。低賃金と過酷な労働条件,とりわけ変則的な勤務体制のもとで,結婚すれば職業の継続が困難であり,離職を余儀なくされることがそのもっとも基本的な原因だろう。50万人の有資格者のうち,その半分以上はこうして資格をもちながら,看護婦であることをやめているのである。
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