看護学校経営・5
学校内指導管理の体制
吉本 二郎
1
1東京教育大学
pp.331-336
発行日 1973年5月25日
Published Date 1973/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906676
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1.学校経営組織の実際
経営されている学校の実際をみれば,学校がそれぞれ単位社会として組織され,運営されていることが明らかとなる.看護学校も厚生・教育行政から組織条件を与えられ,その意味で基本的に人的・物的・組織運営的要件に規制を受けるのであるが,実際にその要件を基礎にしつつ,組織体としての協力体系を構成し,独自の教育意思のもとに継続的な教育活動を行なっているのである.組織活動を通して教育効果を高からしめるために,どの学校でも経営は学校活動を統括し,そこに経営の基本的職能を果たすのでなければならないであろう.
具体的にいえば,学校経営は単に学校事務の処理が法令に違反することなく行なわれているかどうかを,その中心的な仕事とするのではなく,また所属職員の監督することに尽きるのでもなく,もっと本質的で積極的な機能を果たさなければならない.もちろん,広い意味での法的事項の管理が不要だというのではない.だが,経営が積極的に遂行しなければならないのは,学校という組織体をいかにして協働せしめるか,効率的な教育活動を営ましめるかを主眼とするものである.
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