看護学校経営・3
教職の専門性と看護教師の研修
永岡 順
1
1東京教育大学
pp.188-194
発行日 1973年3月25日
Published Date 1973/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906662
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I.専門職をどうとらえるか
教師という職業が,専門職といわれる性格や内容を備えているかどうかについては,今日多くの見方があり,必ずしも確定していない.人によってさまざまな規定のしかたが行なわれているが,それらは,結局は教職が専門職とみなしうるのかどうか,または専門職となるべきかどうかという議論にいき着くようである.一般に,教職は明らかに専門職であるといいきることはむずかしいといわれている,けれども教職に携わるものが,専門職者として行動することが,これからの教育にとってたいせつなことであり,あらためて考えられなければならないことであるといわれていることも見のがせない.
学校という教育の実際の場面で,教師は一般の人が予想する以上に,さまざまな多くの仕事に責任を負って職務を遂行している.教育内容・教材・教科書・学習指導・生活指導・教育評価などの広い範囲にわたって,教育活動を有効に展開するために,それらの事前の準備から結果の整理や評価まで,真剣に考えれば一瞬も休まる暇もない忙しさである.新しい教育原理に基づいて構成されるカリキュラムの理解,その授業への展開とそのための指導法や教材の研究などは,その中心的なものである.これらをとりまいて多様な教育活動に要する教職者としての職能活動があって,教師の職業が成り立っているといえよう.
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