医療講座・6
予防接種をめぐる問題
毛利 子来
1
1小児科毛利医院
pp.63-71
発行日 1970年10月25日
Published Date 1970/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906389
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予防接種問題は出るべくして出てきた
毛利 谷さんのお話になった,基礎というほうは,さっぱりわかりません。予防接種,ワクチンの理論なり,技術なりということについては,しろうとなもので,そちらのほうのお話は,どうもできかねるんですけれども,実際に予防接種に,1年に何回か従事しますので,実際に予防接種に従事する,臨床の医者の立場ということで,きょうはこの問題をお話させていただきたいと思います。事故を中心にしまして,予防接種の問題すべて,臨床の立場から考えてみたいと思うわけであります。
ご承知のとおり,ことしになって種痘の問題を中心にして,予防接種のことが,マスコミでひじょうにさわがれて,母親なり国民に,たいへん不安を与えております。これはことしになって,一度に噴き出たような感じですけれども,わたしは2〜3年前ぐらいから,胎動があっただろうと思います。
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