論稿
看護技術の教育
兼松 百合子
1
1岩手県立盛岡保健婦専門学院
pp.49-50
発行日 1968年4月1日
Published Date 1968/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663906006
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はじめに
いわゆる“看護技術”の教育が看護教育のすべてであったという時代が,かなり長く続いたようである。10年前の基礎看護の教科書を開いてみると,その大部分が,手先の技術の手順の解説であった。しかし現在,特に新カリキュラムの方向が示されてから,看護教育においては,「看護とは何か。」という根本概念の理解や,各事象の基礎となる知識の理解に重点が置かれている。「看護とは何か」を確認することによって,技術の種類とか範囲をより明確にすることが出来るし,基礎知識を学ぶことによって技術をより確実なものにし,さらに応用したり,改良したりしていく事が出来るようになる。専門職としての看護の技術は,理論的裏付けを持たなければならない。そして専門職業人としての看護婦は,その理論的背景を拡大して行かなければならない。
看護技術の習得には,基礎知識の理解という面と,技能の訓練という面とがある。そしてその両者をどのように組み合せ,どんな学習活動を通じて学ばせていくかが,看護教育の技術として,大切な点である。
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