特集 糖尿病治療薬Update—適正使用に向けて
Overview
血糖コントロールの目標設定
麻生 好正
1
1獨協医科大学内科学(内分泌代謝)
pp.18-21
発行日 2016年1月10日
Published Date 2016/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223884
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ポイント
●血糖コントロールの主な指標として,空腹時血糖,食後血糖,HbA1cがあるが,合併症の予防・進展阻止を目標とするには,HbA1cが最も有用で,信頼度が高い指標である.
●血糖コントロールをHbA1c 7.0%未満で維持すると,1型,2型糖尿病ともに糖尿病性細小血管障害の発症・進展は明らかに抑制され,大血管障害に関しても長期間で評価すると抑制効果が認められる.
●低血糖のリスクを誘発せず血糖コントロールができるならば,より厳格にコントロール(例えばHbA1c 6.5%未満)されるべき患者層がある.罹病期間が短い,余命が長い,心血管疾患の既往がない,メトホルミン単独療法,などが含まれる.
●より緩やかに血糖コントロール(HbA1c 8.0%未満)されるべき患者層がある.重症低血糖の既往あり,余命が短い,進行した細小血管障害あり,重度の併存疾患あり,罹病期間が長い,などが含まれる.
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