講座
生徒の心理をめぐる教員雑感
志摩 千代江
1
1大阪国生病院准看学校
pp.102-103
発行日 1961年2月1日
Published Date 1961/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903988
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准看護学校の教員として生活を始めてより,まだ日が浅い私に多くの希望と悩みを与えてくれている生徒の問題について,その一部の資料から自分の現在の考え方,そして将来への期待,希望を述べたいと思うものである。
1年生,2年生合計して40名余りの当学校において准看護婦生徒としての勉強,そして実習,また寄宿制度による団体生活を中心とする精神生活が如何にスマートに行なわれ,より人間的な人物として社会へ送り出す事にあるかという努力が我我の仕事であり,任務ではあるが,彼女たちの心理を把握し,少しでもよき先達となる事の困難を痛感するとともに,その辺に時代錯誤的な生き方の必要性の存する事も自認させられるのである。特に彼女たち16〜19歳位の年代層の生徒たちの教育に特殊な専門的教育以外に何が必要であるかという問題を熟考するとき一層その複雑さに突き当るのである。私なりの彼女たちへの教育の最大の目標は専門的教育はもちろん,それ以前の精神教育・心理教育の充実であり,創造である。その意味で現在の准看護学校に心理学教程のない事をまことに遺憾とするのである。ここで私が何故この辺に着目するかの説明を加えたい。
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