教務主任の手記
私はこうして生徒募集した
小川 芳枝
1
1県立島根保健婦学院
pp.27
発行日 1958年8月10日
Published Date 1958/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662201698
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全国32カ所の保健婦学校養成所の中でも,おそらく80%の処は専任教員が毎年学生募集で苦しんでいることでしよう.御多分にもれず,私達も入学試験実施までの精神的苦労は一通りではありません.毎年11月頃からこのことで頭を悩まされ続けています.私は何も好んで苦労話をしたいとは思いませんが,たまたま医学書院から「あなたの学院はどうして生徒募集をしていますか」との問合せがあり思い切つて実情を打合け,この難題の打開のためのよい智恵を皆様からおかりしたいと思つて筆をとりました.
対象者が看護婦という,はつきりした限界内であるのと,現在まで看護婦として働き又は勉強して来た人に一大決心をさせるためには学資の問題,就職の問題,待遇の問題等を解決して行かねばならないと痛感しています.当学院は現在第五回生を迎えていますが,募集計画も年々何とか工夫してかえています.先ず例年にもれず新聞,ラジオ等も予算の範囲内で出来る限りのことは名事務長の力をかり,PRしたのは申すまでもないことでありますが,本年は同僚桑谷教師の発案で,県内の高校調査を開始しました.即ち本年をさかのぼる3年前の高校卒業生中,看護婦学校養成所へ入学した人を全部調査し,その人々に本学院の状況を知らせ募集要綱を送り進学を奨めました.又2〜3年来私は写真機をいじることに興味を覚え,日々の学生生活を下手ながら写真に記録して参りました.
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