Scramble Zone
沖縄県の離島における「ふるさと訪問」を実施して
大湾 明美
1
,
佐久川 政吉
1
1沖縄県立看護大学
pp.728-731
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903915
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「ふるさと訪問」のきっかけ
沖縄県には,本島以外に39箇所の指定有人離島があり,そのうち高齢化率25%を越える島が17島あり,離島地域における高齢化は深刻化している.
介護保険制度施行前の1999年,県の「沖縄県離島・過疎地域支援事業」を受け,9つの有人離島を抱える竹富町で調査を行ったところ,在宅寝たきり高齢者が存在する島は波照間島のみであった.その結果をきくと,沖縄は「寝たきり高齢者のいない元気な高齢者の多い島」という錯覚に陥りがちであるが,現実は多くの島々は「寝たきり高齢者の住めない島」である.県内の離島の多くは要介護高齢者の入所施設がなく,在宅サービスの基盤整備が遅れている.要介護高齢者は家族による介護が困難になると,生まれ育った島や家族から引き離され,介護サービスのある島外の施設に入所せざるを得ない.
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