Scramble Zone
医系・看護系学生のバイオエシックス観と彼らの眼を通して知るわが国の医療現場の倫理的諸問題
駒沢 伸泰
1
,
大角 和
2
,
朝倉 大輔
3
,
岩橋 潔
1
,
川田 慎也
1
,
石橋 美和子
4
,
中島 弘
5
1大阪大学医学部医学科
2大阪大学医学部保健学科看護学専攻
3大阪大学歯学部歯学科
4愛知県がんセンター病院看護部
5大阪府立成人病センター・臨床検査科
pp.716-721
発行日 2002年9月25日
Published Date 2002/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903913
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緒言
京都大学名誉教授である星野一正氏は,1990年に京都大学医学部を定年退官後,京都女子大学教授・国際バイオエシックス研究センター・ディレクターとして「患者のための医療の倫理」と「インフォームド・コンセント」の普及のために,国内はもちろん,国際的にも活動を広げていた.国際バイオエシックス研究センターにおいて,京都女子大学学生のみならず,他大学の学生,ジャーナリスト,医師や看護婦,ソーシャルワーカーなど学外の人々にも門戸を開いて,月例の「星野ゼミ」を開催し,毎年,公開発表会も開催していた.2000年3月に京都女子大学を定年退職した後も,同大学の支援を得て,一般公開の月例「星野ゼミ」を継続開催し,広く「患者のための医療の倫理」の社会へ向けた「草の根運動」を続けている[http://www.taishitsu.or.jp/smart-p/index.html].「星野ゼミ」の討論の内容は,一般向けの著作物を通じてでも分かっていただけると思われる1,3).
本稿はこのゼミに参加した大阪大学在学の医系・看護系学生が,将来の医療者として,あるいは自分自身や家族が患者となった経験から,医療に対して感じることを,一般市民や看護師,医師らの参加者と討論し,現時点で何を考え,
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