看護教育研究
看護学生の学生相談制度に対する認識の実態
山田 百合子
1
,
大舘 たか代
2
,
芦澤 トモ子
3
,
柴田 芳枝
4
,
石渕 夏子
5
,
小野 薫
6
,
佐々木 和子
7
1国立病院東京災害医療センター附属昭和の森看護学校
2元国立療養所神奈川病院附属看護学校
3国立横浜病院附属看護学校
4国立水戸病院附属看護学校
5国立霞ヶ浦病院附属看護学校
6国立療養所神奈川病院附属看護学校
7国立看護大学校
pp.565-571
発行日 2003年7月25日
Published Date 2003/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903454
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年,小中学生の不登校や無気力,さらには対人恐怖症の問題がマスメディアで大きく取り上げられている.社会の要請に応えて.1995(平成7)年度からスクールカウンセラーが制度化され学校現場にも派遣されるようになった.大学生においても,学生相淡室を訪ねる学生は全国的に増加傾向にあるといわれる.看護学生も青年期の発達段階にある点では同様であるが,「看護」のもつ特性ゆえに性質はいろいろ異なる.つまり,看護職は人間を相手にする職業であり,臨地実習等の学習など,対人関係によって生じる様々なストレスを一層,受けやすいのである.
一般の大学,短期大学,高等専門学校を対象とした実態調査1-3)から,一般の大学においては学生相談の制度が比較的整っていることがわかった.しかし,看護学校においては,学生の相談に看護教員が対応しているところがいまだに多い.看護学生相談に関する研究も行われてきてはいるものの件数は少ない.土屋4)の研究では,看護学生のストレス要因は学年によって有意差があり,1年生は学習,2年生は寮生活,3年生は臨地実習であった.また友田5)らの看護短期大学の学生を対象にした研究では,主な相談内容は,学業に関すること,自分の将来に関すること,対人関係に関することであった.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.