看護教育研究
看護基礎教育におけるセクシュアリティの教育―「虚血性心疾患を発症した病者の性に関する看護」の授業を通して
籏持 知恵子
1
,
遠藤 みどり
2
1山梨県立看護大学短期大学部
2山梨県立看護大学
pp.560-564
発行日 2003年7月25日
Published Date 2003/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903453
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はじめに
看護のセクシュアリティに関する教育は1990年のカリキュラム改正以後,試行錯誤しながら,精神保健や性科学などの科目の中で教授されてきた1-3).またセクシュアリティへの援助と教育に関する研究も少しずつ行われ,援助の必要性の認識が学習や実際の援助と有意に関連することが明らかになり,その教育の重要性や専門基礎科目における教育だけでなく,各看護学における基本的ニードの1つとして教育する必要性が指摘されている4).医療の中では,セクシュアリティは個人的なことであり,積極的に語られず,援助することは避けられる傾向にある5,6)が,セクシュアリティの援助のためには,看護者の知識や態度等に関する教育的介入と,その効果の測定により看護教育へのさらなる示唆を得ることの必要性が指摘されている7).
本稿では,看護基礎教育においてセクシュアリティに障害を受けた成人の看護の一環として実施した「虚血性心疾患を発症した病者のセクシュアリティへの援助」の授業概要を提示し,授業後に学生が自由記載した記述内容(興味を持てた点,疑問点,感想など)を,病者のセクシュアリティやその看護に関する知識,態度などの観点から質的に分析・評価し,今後のセクシュアリティ教育の示唆を得ることを試みた.
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