実践報告
看護学科新入学生におけるHIV/AIDSに関する基礎知識調査結果の検討
森松 伸一
1
,
長尾 厚子
1
,
十九百 君子
1
,
尾崎 雅子
1
,
松村 三千子
1
,
金川 治美
1
,
鎌田 美智子
1
1神戸常盤短期大学看護学科
pp.888-891
発行日 2002年11月25日
Published Date 2002/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903306
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はじめに
教育は社会の根幹をなすといわれるが,ことエイズ教育となると我々を含めて多くの中学・高校教師に性教育への十分な認識がないこともあって,教育現場での戸惑いは依然として大きく,正しい知識と説得力をもって若者達を指導するのは難しい.現在の若年者を中心とした性風俗の乱れやそれに拍車をかけているであろうメディアを通して得られる性に関する多くの情報は,誰もが簡単に手にすることができる反面,非常に誤りが多いのも事実である1).こういった混乱した現在の社会状況も学校での性教育を難しく,また躊躇させている要因かも知れない.このような情勢に鑑み,2002(平成14)年4月から施行の文部科学省「中学学習指導要領」の「解説」(保健)では「エイズ及び性感染症の予防」の項が新しく加わり,具体的にはコンドームの使用が性感染症の予防に有効であることが初めて明記された.これまでは避妊用としてのみ考えられていたものをさらに一歩踏み出した指導方針の変換といえる.
将来,看護者あるいは医療従事者として社会において指導的立場に立つべき看護学生に対しては,入学後から卒業までの間に性および性感染症(STD)に関しての正しい知識をつけるとともに指導力のある有能な人材に育てることが必要不可欠である.そのためにも入学時点における彼らのHIV/AIDSに関する基礎知識を問うことは今後のSTD予防の啓発を含めた教育内容を決める上で重要である.
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