特集 看護技術教育のこれから
第1部 楽しく看護ができる技術の考え方
排泄の援助
森 千鶴
1
,
佐藤 みつ子
1
,
大下 静香
2
,
矢口 久実子
3
1山梨医科大学
2福島県立医科大学
3山梨医科大学大学院
pp.939-942
発行日 2001年11月30日
Published Date 2001/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902628
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排泄援助の意義
人間にとっての排泄は,生命や健康を維持していく上で不可欠な生理機能であり,排泄物や排泄状態は,その人の健康状態を知る上で大切なバロメータでもある.しかし,排泄の援助を受けざるを得ない対象者にとっては,排泄に伴う臭気や音,陰部や排泄物を他人にみられること,排泄の姿勢に羞恥心を感じることが多いため,対象者の心理を理解しプライバシーを保護することが大切である.また,排泄の介助を依頼しにくく,気兼ねをしがちな心理もあり,対象者のプライドを傷つけないように配慮する.さらに,対象者にとって,緊急を要することが多いために,確実に,迅速に苦痛なく応じられるようにする.そのためできるだけ,他者の手を借りず,自力で排泄するよう援助することが必要である.看護者は,人間にとっての排泄の意義を理解し,その援助に必要な知識,技術を習得することが重要である.
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