特集 看護技術教育のこれから
第1部 楽しく看護ができる技術の考え方
―看護技術の指導方法―体位変換・移動時の援助―看護のボディメカニクス
佐藤 みつ子
1
,
森 千鶴
1
,
大下 静香
2
,
鈴木 はるみ
3
,
矢口 久実子
3
,
持永 静代
4
1山梨医科大学
2福島県立医科大学
3山梨医科大学大学院
4日本看護技術研究会
pp.925-935
発行日 2001年11月30日
Published Date 2001/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902626
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体位変換・移動援助の意義
体位変換や移動の援助は,ほとんどの日常生活援助や診療時に活用することの多い技術のひとつであり,対象者の健康状態やADLの自立に応じ援助方法を選択し,実施している.体位変換や移動の援助には,生理的側面および気分転換の促進などがある.同一体位持続による弊害も予防する.つまり,①循環障害や褥創の予防,②呼吸器合併症の予防,③消化器機能低下の予防,④関節可動域の維持・関節変形や拘縮の予防,⑤筋萎縮や筋力低下の予防などである.また,心理的側面では,体位変換や移動をすることによって,視野が広がり気分転換を促進し,闘病意欲を高める.社会的側面では,対象者のADLの自立により日常生活が拡大し,その人のQOLの向上を図るのに役立つという意義がある.
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