連載 Evidence-Based Nursing 実験実習を導入した看護技術教育・5
(各論4)食に関する実習(その2):味覚に関する実習
深井 喜代子
1
,
關戸 啓子
1
1川崎医療福祉大学医療福祉学部保健看護学科
pp.888-892
発行日 1999年11月25日
Published Date 1999/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663902153
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味覚に関する実習
実習のねらい
「味覚」は生理学の実習項目だが,本学では担当者が同じであることから,看護方法論の「食事と栄養」の教授項目の中に「味覚」に関する実験実習を組み入れている.この実習は味覚生理だけでなく,看護学生が比較的体験することの少ない溶液の濃度計算の演習,ガラス器具や電子天秤などの取り扱い方法,それらを用いた低濃度の味物質の調整(希釈や溶解によってある濃度の溶液を作ること)を導入した.前号で紹介した「嚥下と体位および食物形態に関する実習」と合わせて,生化学実習の準備段階と味覚生理学の要素で構成された「味覚に関する実習」を体験させることによって,食行為をさまざまな視点からとらえさせたいと考えた.
ここでの実習目的は,①健康人の味覚に関する生理学的知識を確認させること,②水溶液の濃度調整に関する基本的知識と技術を学習させること,③①,②を通して科学的実験手技の基本を学習させることの3つである.以下に,その具体的教授内容を説明する.なお,学生用実習書の全容は資料1に示すとおりである.
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