特集 透析患者の感覚器障害
3.味覚障害(2)薬剤と味覚障害
愛場 庸雅
1
1大阪市立総合医療センター耳鼻咽喉科
キーワード:
亜鉛
,
抗腫瘍薬
,
基礎疾患
,
高齢者
Keyword:
亜鉛
,
抗腫瘍薬
,
基礎疾患
,
高齢者
pp.37-42
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001157
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薬剤性味覚障害には,抗腫瘍薬などによる急性障害と,長期連用薬による慢性障害がある.起因薬剤は多数報告されているが,作用機序は明確ではない.また原因の証明も困難なことが多い.一部の薬剤は,その亜鉛キレート作用が原因で,亜鉛内服が効果を呈する可能性がある.味覚障害は高齢者に多く,増加し続けており,その要因の一つに,各種疾患に伴う長期の薬剤使用が挙げられる.そこには,高齢化,基礎疾患,栄養状態,心理的要素などの要因が絡み合って,悪循環を呈している背景がある.
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