看護基礎教育改革への助走 看護技術の視点から基礎教育を見直す
第2部 基礎教育のもう1つの視点と可能性
職業としての看護婦の役割と看護教育―看護婦の職業的社会化と役割過剰同調
六角 僚子
1
,
柄澤 行雄
2
1初富保健病院看護部
2常磐大学人間科学部
pp.941-945
発行日 1997年11月30日
Published Date 1997/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901727
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はじめに
病む人が病院の玄関をくぐった瞬間,その人は自動的に患者という地位,患者として演技する役割を与えられ,その役割を忠実に演じることが期待される.それは,医師,看護婦,その他の医療従事者の職務体系と職務時間配分に沿って決められたシナリオによって進行する,舞台の上での役者としてのイメージそのものである.
こうした状況のなかで,鍵もかからず(玄関のない)1枚のカーテンで仕切られた生活が始まり,また,こうした環境下で医療従事者との相互作用を通して,患者はさらに患者としての役割を強制されたり,学んでいくことになる.同様に,援助者としての看護婦も,援助者という地位に対する役割期待に従い行動することが求められる1).
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