連載 ワークで学ぶ在宅看護論・4
療養者を介護する家族を見る―方法論Ⅰ「家族アセスメント」
大塚 廣子
1
,
桑原 光代
2
,
網野 寛子
3
,
高橋 順子
3
1都立府中看護専門学校
2都立府中療育センター看護科
3都立板橋看護専門学校
pp.754-757
発行日 1997年10月25日
Published Date 1997/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901691
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はじめに
在宅療養者の看護を実践するとき,その療養者のみを対象者としてアセスメントしても,療養するうえでの問題は見えてこない.療養者本人の健康障害が家族にどのような影響を与えているかをアセスメントすることで,在宅療養の可能性や継続性が見えてくる.
NHKのテレビ番組で,歌手の橋幸夫が痴呆になった母親の介護を巡って,家族の協力体制や,心理的変化を述べていた.在宅での療養が始まったころは妻1人で黙々と介護に当たっていたが,痴呆が進行するにつれて,妻1人の介護では対応できなくなり,相談されて初めて,介護の大変さに息が詰まる思いがしたという.子どもたちや自分に出来ることについて話し合う機会を多く持つようになり,協力体制ができた.そうして,介護の役割分担や協力する過程で,人への優しさや,思いやる心など学ぶ機会にもなったという.
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