特別記事
Problem Based Learning導入への準備
小山 眞理子
1
1聖路加看護大学
pp.654-659
発行日 1997年8月25日
Published Date 1997/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901668
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
Problem Based Learning(以下PBLと略す)が看護教育においても注目を集めつつある.PBLは,日本医学教育界では「問題基盤型学習」1)または「問題立脚型学習」2)と訳されているが,筆者は看護が取り扱うのは患者の問題だけではないと考え,またProblemには「学習すべき課題」という意味も含まれると解釈して,日本語の「問題」という用語をあえて用いずProblem Based Learningという原語を用いてきた.しかしながら,PBLでの授業を4年間実践してきた今日,やはり「問題」と訳した方がよいのではないかと考えている.将来的には適切な日本語での表現を考えていかねばならないが,今日,PBLという用語が多く使われるようになってきているので,本稿では「PBL」を用いながら,導入にあたって注意すべき点を考えていきたい.
授業として行なうPBLは,授業の目的を達成させるような教師の準備や関わりが必要であり,安易に事例を用いて学生たちが学びたいことだけを学ぶものではない.講義法やセミナー法と比較して学生が楽しく学習できる3,4)というPBLの長所を生かしつつ,教授・学習の成果としてそれなりの成果を上げるには,PBLを開始する前の準備を周到にする必要がある.
Copyright © 1997, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.