特集 精神看護学実習の展開
精神看護学実習の「奥行き」と「広がり」
清水 恵子
1
1自衛隊中央病院高等看護学院
pp.186-189
発行日 1997年3月25日
Published Date 1997/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901574
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はじめに
1997年4月に施行される新カリキュラムで専門分野の1つとして柱立てされる精神看護学の教育内容は,現行カリキュラムの「精神保健」と「精神科看護」の内容が合わさればよいというのではない.精神看護学は人間のこころの健康問題―こころの発達,こころと体の関係,こころの健康維持,こころの疾病・障害,こころが病むこと,こころが癒されることなど―を身体的側面,心理・社会的側面から統合してとらえ,人間の反応を手がかりに健康問題をアセスメントし,働きかけができる実践力を育成するまでを含んだ領域と考えたい.ただし,精神看護学の講義・演習4単位を基盤に臨地実習2単位(90時間)を展開するとき,対象に「働きかけができる実践力」のレベルをどこにするかは議論が必要であろう.
当校は1学年の学生数が約100名で,実習施設や他の専門領域の実習との関係から,新カリキュラムでは1日6時間で週5日3週間の実習を打ち出している.これが適切な時間,期間となるかは「働きかけができる実践力」をどのレベルに求めるかにかかっている.現在,現行の実習体制(母体である総合病院の精神科病棟で1日6時間で週5日2週間の実習,臨床指導者あり)や実習目標を評価し,新カリキュラムを検討しているところである.
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