特集 明日の看護を見つめて
新春随想
生活の広がりにつながる看護を
堀越 栄子
1
1日本女子大学家政経済学科
pp.38
発行日 1990年1月1日
Published Date 1990/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661900011
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ある特別養護老人ホームの施設長さんが,「ホームのナースは,ナースとして落ちこぼれだとする周囲の目(ある看護婦研修での発言)があるらしいが,看護本来の仕事は特別養護老人ホームにこそあると思う」と書いておられました.「看護とは生きる力への援助」であり,「生活全般のお手伝いをし,援助する」ことだからと言うのです.
1989年度から,厚生省は,訪問看護等在宅ケア総合推進モデル事業を全国11か所の市町村で始めました.そこで訪問看護をしている看護婦さんからも,ホームの施設長さんと同じ話を聞きました.ところで,モデル事業のモデルたるゆえんは,①市町村が実施主体となって訪問看護をする(実際には看護協会への委託もある).②保健・医療・福祉を市町村が総合的に実施する,そのために高齢者サービス調整チームを設ける,というところにあります.1990年度は,47市町村でモデル実施をするそうです.
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