調査・研究
臨床指導の盲点とあり方―臨床実習体験からの教示
鈴木 真理子
1
1長野県看護大学基礎看護学教室
pp.658-662
発行日 1996年8月25日
Published Date 1996/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901433
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はじめに
臨床看護婦として8年の経験を経て,新たに看護大学の教官として,講義や臨床実習指導に当たることになりました.自分自身の学生時代を振り返ると,実になつかしく貴重な,しかし辛い経験があることが思い起こされます.そして,これらの経験は,私のその後の臨床看護,あるいは価値観などに強い影響を与えていることに気が付きます.
なかでも,臨床実習は看護教育の中核をなし,学生たちはこの間に実に多くのことを学びます.しかし,臨床実習は学生と患者,臨床指導者,教官,さらに医師など看護を取りまく様々な人間関係のなかで展開され,そこには看護教育を越えた問題も生じる場合があります.その多くは,病棟の臨床指導者や教官の適切な対応により事無きをえますが,なかには指導の盲点となって放置され,学生に深い心の傷を負わせることもあります.
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