特集 看護的感性
体験とイメージ—臨床場面における看護的感性のあり方とは
野島 良子
1
1徳島大学教育学部特別教科(看護)教員養成課程
pp.370-379
発行日 1979年4月1日
Published Date 1979/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661918647
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はじめに
本稿によってわたしが意図していることは,ゆきとどいた看護にそれが必要だとしばしば強調されてきた看護婦の感性とは,いったい何であるのか.それは看護婦のどのような行為のなかに潜んで,またはどのような行為によって明らかにされつつ,表されてくるのか,それは患者に何をもたらすのか.そして,それはどのようにして磨かれ,豊かにされてくるのかという問題について,素材を看護のなかのありふれた出来事に求めつつ,考察をすすめてゆくことである.
看護について,それはいったい何であるのかと,ながく考え続けてくると,幸いなことに,幾つかの鍵となる概念がおのずからなるまとまりをみせているのに気づく.それらは,まだ漠然と群をなしているだけの概念であって,輪郭が明晰にされているわけではないが,ためしに2,3を拾いあげてみる.
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