研究
癌患者における術前の不安と教示の効果に関する研究
辛島 佐代子
1
1日本赤十字社医療センター
pp.405-437
発行日 1972年10月15日
Published Date 1972/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681200304
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- サイト内被引用
I.序 論
この"癌患者における術前の不安と教示の効果に関する研究"というテーマにおいて,私は,術前の急性不安を持つ癌患者が,心理的,生理的にどのような反応を示すか,そして教示は,患者の心理・生理にどのような影響を与えるかを明らかにしてみたいと思う。
一般に,手術を言い渡された患者は,ほとんど,不安状態にみまわれる。これは,「手術は失敗しないだろうか」,「手術中に死ぬようなことがあるのではないか」,また「手術によって身体が変形するのではないか」といった不安であり,さらに,経済的負担や肉体的苦痛に対する不安もまた考えられる。
Copyright © 1972, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.