調査・研究
看護学生の性に対する感情
今西 惠
1
,
喜多 大三
2
,
中嶋 敏勝
2
1奈良県立五条病院産婦人科
2奈良県立医科大学薬理学講座
pp.894-899
発行日 1995年10月25日
Published Date 1995/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901218
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はじめに
看護婦は,人間の基本的欲求のすべてを察知し,援助を行なっていかなければならない職業である.食事や睡眠,呼吸や排泄などの欲求については援助が積極的に行なわれているが,性についても,現場の臨床では重要な事柄である.しかしながら,性に関わる問題については十分な援助が行なわれていなかったり,看護者によって患者に対する援助に差が出たりする.これは看護者自身の考え方あるいは経験が,援助に大きな影響を及ぼすためといわれている.
性の問題の特徴として,“これで良い”という解答がなかなか兄つけにくい.すなわち,看護者自身も感情を持った1人の人間であり,対象となる人間は医療を受ける患者と私生活での健康な人間の両者が存在する.さらには,患者も病気が治れば健康な人間へ変わるのである.この様な状況で,性についての精神的な面での関わりはどこに基準をおけば良いのかむずかしい.
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