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特集 医療現場での怒り—どのように評価しどのように対応するべきか
看護における感情のマネジメント
Emotion Management:A nursing perspective
加藤 宏公
1
Hirotada Kato
1
1愛知県立大学看護学部
1School of Nursing and Health, Aichi Prefectural University, Nagoya, Japan
キーワード:
Emotional labor
,
Compassion fatigue
,
Psychological flexibility
,
Self-compassion
Keyword:
Emotional labor
,
Compassion fatigue
,
Psychological flexibility
,
Self-compassion
pp.1315-1323
発行日 2019年11月15日
Published Date 2019/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1405205938
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抄録 現在の医療現場では特に怒りの感情が注目を集めており,その表出に対応をしなければならない機会が増加している。看護師は,医療職の中でも最も患者と接する時間が長く,患者の苦痛に伴う不安や怒り,その他の感情表出にもさらされる機会が多い。しかし,看護師側の感情表出としては,そのような場面においても,共感や思いやりをもった感情労働(emotional labor)を維持しなければならない。看護師の感情労働の研究からは,社会的に期待される感情規則に沿った共感や思いやりの感情表出を繰り返すことで,看護師の共感疲労(compassion fatigue)を生み,二次的外傷性ストレスとバーンアウトに繋がることが分かっている。このような看護の現状に対して,感情労働に対する心理的柔軟性(psychological flexibility)と,共感疲労を癒すセルフコンパッション(self-compassion)の視点から,今後の看護における感情のマネジメントのあり方を考察した。
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