調査・研究
新カリキュラムにおける主要看護学での「福祉に関する教育」の現状―3年課程看護婦養成所のアンケート調査を通して
増田 安代
1
,
阿部 泰子
2
1福岡県私設病院協会専門学校
2厚生省看護研修研究センター
pp.809-814
発行日 1995年9月25日
Published Date 1995/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901200
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はじめに
近年,人口の高齢化に伴う在宅ケアや核家族化による介護機能の低下,疾病構造の変化による慢性・難治性の疾患,心身障害者の増加などにより,成人・老人保健における保健と福祉を統合する包括的な地域保健・福祉計画の検討がなされるようになった.そこで,プライマリケアの充実・在宅医療などの推進が必要となり,保健・医療・福祉の連携による総合的な活動が要請されている1,2).
看護の分野においても,継続看護の充実と訪問看護のシステム化など地域における看護活動の重要性が高まり,また一方では,介護福祉士や社会福祉士などの新職種が登場し,看護と福祉の役割や連携についての提言がなされている.3,4)おりから,看護教育の場でも1989年にカリキュラムが改正され,「社会福祉」の科目が15時間から30時間に倍増,老人看護学の新設,さらには各看護学の中に継続看護の単元も加わり,看護を広義のソーシャルサービスとしてとらえる傾向がみられる.今回の新カリキュラムのねらいの中には,看護と福祉の連携についてなんらかの指導や教授が必要であることを示唆していると考えられる5).
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