調査・研究
看護情報と看護態度に関する要因分析的研究―精神科看護従事者の意識調査例を通じて
福崎 哲
1
,
川口 貞親
1
1久留米大学大学院医学研究科健康科学
pp.604-611
発行日 1995年7月25日
Published Date 1995/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901151
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はじめに
看護の臨床上,患者を取り巻く日常の看護情報1)をどこまで入手・収集し,かつ活用すればよいかの法規定2)はないが,今日のように看護の質や患者のQOLの向上を目指す期待がある限り,そこには関係者自らの不断の努力が求められる.とりわけ,改正カリキュラム後においては,精神科領域のみならず,広く臨床看護一般にとっても,その生活機能に関わる個人歴や心理状態を把握することは,以前にも増して重視されるようになっている3).
そこで本研究では,既に一部発表された精神科の看護職員に対する患者の生活情報に関する意識調査例4)を参考として,再度,新たな観点から,その調査項目間の内容を吟味しつつ,看護情報の入手・収集とその活用の手だてを通じて観察される看護態度について要因分析した.重ねて,精神科以外の看護領域にも通ずる看護者自らの経験特性などによる個人差が,その看護態度の形成にどう影響するかについても,教育的観点を踏まえて統計解釈的検討を試みた.
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