連載 癒しの環境・7
癒される者として
高柳 和江
1
,
クミコ・クリストフ
1日本医科大学(医療管理学教室)
pp.552-555
発行日 1995年7月25日
Published Date 1995/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901141
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ノーベル賞受賞の大江健三郎氏が,第24回日本医学会総会の閉会式に講演された.タイトルは,「癒される者として」.
大江氏は,医師を癒してくれる人,死ぬのに立ち合ってくれる人,マラソンの伴走者としてとらえていた.日本医学会総会の閉会講演なので,気張ってくれたのか,「お医者様」には感謝していますとおっしゃって下さった.お医者様などとひと昔前の言葉でたてまつられて,私自身は,背筋がくすぐったくなった.最近,お医者様なんて,聞いたことがない.それほど尊敬されていない.尊敬に値しないと社会の人が思っているのか,尊敬に値する医師がいなくなったのか,はたまた,パターナリズムの医療が綺麗に払拭されて,パートナーリズムの医療になったのか?
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