特集 母子保健活動の実態
調査報告
母親の育児態度に関する調査—農山村における例
大月 澄江
1
,
中桐 佐智子
1
1順正短期大学
pp.810-817
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205786
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
I.緒論
近時健康診断のあり方をめぐって,国際的に関心が高まっている1,2)。これは従来の集団検診の目的としている所が,case-findingとしての意義に重点が置かれ過ぎていたことに対する反省として,受診者の健康に影響を与える諸要因を評価するための健康診断,集団検診への指向が要求されるようになったためといえる3)。
この点乳・幼児に対する健康診断や集団検診は,古くから育児相談としてcase-findingの意義よりも,成長・発育の計測結果に基づく育児上の専門的な指導の場として実施される場合が多く,他の健康診断・集団検診とは若干異なった性格をもっていた。しかし健康診断や集団検診の方策に対する科学的なアプローチ,とくに公衆衛生学的なアプローチにおいて,わが国の現状は決して十分なものとはいえず,公衆衛生集団検診法4)の確立が,母子保健の分野でも今日強く要求されている。
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.