連載 学生のための看護診断入門・6
定型的乳房切除術後患者の看護診断
中俣 直美
1
,
堤 由美子
1
,
中馬 成子
1
,
三浦 陽子
1
,
田畑 裕子
1
,
別府 博子
1
,
松元 イソ子
1
,
山内 寿美
1
,
柴田 恭亮
1
,
鹿島 友義
2
1鹿児島大学医療技術短期大学部看護学科
2国立南九州中央病院
pp.702-706
発行日 1994年9月25日
Published Date 1994/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900925
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今日でも,悪性腫瘍の患者への病名の告知がなされるケースはそれほど多くない.しかし,乳癌の場合は,生存率が高いこと,乳房の切除によるボディイメージの変化などから病名を告知されることが多い.一方では,術後のQOLを考慮して,乳房温存手術が多く取り入れられるようになってきているが,癌が進行していたり,多発病巣の場合は,乳房切除を余儀なくされることもある.
今回は,癌を告知され,多発病巣のために乳房切除術を受けた患者の事例である.基礎看護学実習の段階では今回のような心理的,社会的問題がクローズアップされている患者は,短期間での問題解決が難しいため受け持ち患者としては敬遠されがちである.しかし,インフォームド・コンセントが強調されている今日,基礎看護学実習でも精神面の看護は,避けて通れない課題である.したがって,初めての臨床実習で精神的問題にも目を向け,患者の気持ちを理解する努力をしながら援助していく姿勢を学ぶことは重要になってくる.
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