特集 クオリティオブライフとPOS―第16回日本POS医療学会報告
一般演題Ⅰ:POS―理論とその学習展開
POSにおけるオレムの枠組み活用によるケア変化―患者の観点と看護婦の観点を明確にしたケアの焦点を通して
石垣 ひで
1
,
上田 笑子
1
,
相澤 みどり
1
,
千葉 絵利子
1
,
及川 久美子
1
,
松浦 民枝
1
,
菊地 登喜子
1
1東北公済病院
pp.984-985
発行日 1994年11月30日
Published Date 1994/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900987
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はじめに
医療状況の変化に対応した適切なケア提供のあり方を追求するために,今回はPOSと看護診断にオレム看護論を適用した場合のケアの効果性について検討した.POS委員が患者をプライマリー的に受け持ってケアを展開した6例から1事例を取りあげ,患者と看護婦の認識を含めて検討することを目的とした.
データベースには,R. アルファロの「オレムのセルフケア論に基づいたデータベース・アセスメント様式1)」を,アセスメントおよびケア計画を記述する形式には,オレムのセルフケア・モデルに基づくスティーブン J. カバナの様式2)に,看護診断と期待される成果を加えて採用した(表1).オレムの枠組みを活用できれば,いまだ日本の医療の現場に存在する患者の「お任せ」と,看護者の「過剰ケア」の傾向を変化させていくのに,われわれ自身,より意識的になることができるのではないかと考えた.
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