特集 看護診断導入は看護記録を変えたか
オレムのセルフケア不足理論に基づく看護診断過程を記録に
菊地 登喜子
1
,
千葉 ひろみ
2
1東北公済病院看護部
2東北公済病院内科病棟
pp.442-448
発行日 1996年7月10日
Published Date 1996/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1686900507
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はじめに
看護診断導入の目的は,よい看護の実現であり,看護記録はよい看護の計画を導き,結果を積み上げるための重要な道具であるといえよう.言うまでもなく看護記録とは,患者からの情報やケアの実施,経過だけを書く記録ではなく,「なぜこういう看護をするのか」という思考・判断の理論的,科学的,系統的根拠を客観化するものである.言い換えれば,看護記録は1人ひとりの患者についての看護活動を展開するための設計案を表現するものでありたい.
一方,看護診断システムを用いて,記録に看護診断用語を適用することによって,看護を何のためにするのかが共通に表現できる.看護診断は,看護介入の観点を明確にして,適切なケア提供を行なうことを可能にし,介入の観点を特定するための一連の論理的思考を内包している.当院では,看護診断導入による看護記録を,看護過程を構築するためのガイドとして位置づけてきた.
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