研究報告
悲嘆状況にある患者のケア—ケアリングの観点から
松田 光信
1
,
浅田 庚子
2
1大阪府立看護大学大学院看護学研究科
2滋賀県立大学看護短期大学部
pp.77-83
発行日 1999年2月15日
Published Date 1999/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1681900730
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はじめに
近年,わが国では保健医療専門家を中心として,死と死に臨む問題や,それと関連する悲嘆の問題に関する研究が進められてきている。
悲嘆プロセスにおいては,悲しみ,苦しみ,辛さを癒やすために,自由に感情を表出することが重要であると言われている1)。しかし,精神的ケアよりも身体的ケアが優先されがちな一般病棟に入院している悲嘆状況にある患者は,心の内に存在する不安や恐怖などの感情を表出することができず,独りでその苦しみと戦っているように思われてならない。
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