連載 看護学教育研究実践への提言・3
研究方法からみた看護学教育研究の動向と課題―1989~1993の我が国の文献から
太田 澄恵
1
,
鈴木 純恵
2
,
永野 光子
3
1千葉大学医学部附属病院
2千葉大学大学院博士後期課程
3千葉大学大学院博士前期課程
pp.472-476
発行日 1994年6月25日
Published Date 1994/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900863
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はじめに
科学的な知識を得るには科学的な方法によるアプローチが必要であり1),科学的アプローチとは,信頼できる有益な情報を得るのに用いられる秩序正しい,専門的訓練を伴う一連の手順を指す2).看護学教育研究も,知識体系を累積していくには,このようなアプローチを適用することが求められている.一方,看護学教育研究の研究数は過去5年間に約10%増加している3)というような背景があり,これらの研究成果を科学的な知識の累積につなげるためには,研究方法に焦点を当てて検討することが重要である.
そこで,筆者らは,過去5年間に我が国で行なわれた看護学教育研究に用いられた研究方法を調査し,今後,看護学教育が一層発展していくための研究方法における課題について検討したいと考えた.なお,本稿における看護学教育研究とは,看護学教育に資する目的で各看護学教育の制度,内容,方法,構成員等に関連する諸現象を対象とした研究4)とする.
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