連載 学生のための看護診断入門・5
リハビリテーション段階の患者の看護診断
堤 由美子
1
,
三浦 陽子
1
,
別府 博子
1
,
中俣 直美
1
,
中馬 成子
1
,
山内 寿美
1
,
松元 イソ子
1
,
柴田 恭亮
1
,
鹿島 友義
2
1鹿児島大学医療技術短期大学部看護学科
2国立南九州中央病院
pp.614-618
発行日 1994年8月25日
Published Date 1994/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900902
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
基礎看護学実習において,リハビリテーション段階にある人を学生の受け持ち患者に選定する機会は,比較的多いのではないだろうか.それは臨床での看護の体験がほとんどない学生にも,自立を目指すという看護本来の役割をイメージしながら看護過程の展開を学べるのではないかと期待されるからである.しかし,QOLやセルフケア等の考え方の深まりと広がりによって,看護そのものが患者の人権を配慮した自立への援助をどうすべきか模索している今日,看護体験のない学生が,患者の今後を予測し将来のWell-beingな状態を頭に描きながら自立を目指した看護過程を展開するということは,至難の技であろう.
そうした困難さはあるが,やはり今回の事例のようなリハビリテーションの段階にある人を援助する体験は,学生が現実場面で自立ということの意味を問い直し,問題意識をもつ良い機会になり得ると考える.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.