調査・研究
成人看護学実習における看護過程の展開―シークエンス(関連図)を書くことの意義とその書き方
土屋 八千代
1
1聖母女子短期大学
pp.688-696
発行日 1993年9月25日
Published Date 1993/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900662
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はじめに
当校における《看護過程の展開》に関する指導は,まず1学年次に基礎看護学で10時間の講義があり,その後は各領域に一任されている.しかし,成人看護学ではカリキュラムの時間的制約の中で,学内でのおさえが不十分のまま実習に突入することになり,2年次後期から開始する実習において,特に病態も背景も複雑な成人系の患者を前に,学生は患者の全体像を把握するのに多大な時間を要してしまい,学生の主体的な患者ケアへの取組みの遅れが見られる結果となっている.
当校は看護過程の一連のプロセスの中で情報相互の関連図(sequence of events)を書かせることによって,患者の全体像の把握をさせている.ただし,看護過程の講義や実習オリエンテーションでは,看護過程の各段階の具体的展開を指導していないので,各実習場所の指導者の個々の指導に一任している現状であり,学生の立場から考えれば一貫性のない指導体制となっている可能性が大きいのではないかと考えている.
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