症例
人魚体シークエンスの2例
近藤 恵美
1
,
浦郷 康平
,
深川 真弓
,
北川 麻里江
,
中川 瞳
,
川上 浩介
,
河村 京子
,
元島 成信
,
川越 秀洋
,
牟田 満
,
大藏 尚文
1国立病院機構小倉医療センター
キーワード:
欠肢症
,
出生前超音波診断
,
X線CT
,
母性年齢35歳以上
,
羊水過少症
,
妊娠糖尿病
,
死産
,
腎無形成
,
新生児死亡
Keyword:
Ectromelia
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Ultrasonography, Prenatal
,
Oligohydramnios
,
Diabetes, Gestational
,
Stillbirth
,
Perinatal Death
pp.121-125
発行日 2017年1月1日
Published Date 2017/1/1
DOI https://doi.org/10.18888/J00535.2017131349
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
症例1(33歳、3経妊2経産婦)。妊娠23週1日の妊婦健診にて羊水過少を指摘され、紹介となった。胎児超音波検査でAFIは0と著明な羊水過少を認め、両側腎臓・膀胱は描出不能で、Potter症候群と考えた。本人・家族は児に対して積極的な治療を希望せず、妊娠34週2日で陣痛発来し、死産に至った。児は単一臍帯動脈、外性器不明、鎖肛、下肢は1本で、全身単純X線像で胸郭の低形成、大腿骨の癒合、脛骨の癒合を認め、人魚体シークエンスと診断された。症例2(39歳、3経妊3経産婦)。妊娠22週4日に妊娠糖尿病の診断にて紹介となった。胎児超音波でAFIは2cm、単一臍帯動脈を認め、左腎・膀胱は検出不能であった。妊娠24週4日の超音波カラードプラ法では卵黄嚢動脈遺残が認められ、妊娠26週4日の3D-CT検査では大腿骨・脛骨が1本であることを確認、人魚体シークエンスと診断された。妊娠糖尿病に対し妊娠24週4日からインスリン療法を開始し、児に対しては積極的な治療を希望せず、妊娠32週3日で陣痛発来し、8分後に死亡となった。
Copyright © 2017, KANEHARA SHUPPAN Co.LTD. All rights reserved.