特集 新カリはどういかされたか
カリキュラム改革か革命か―米国における看護カリキュラムの変遷
高橋 照子
1
1イリノイ大学博士課程
pp.431-435
発行日 1993年6月25日
Published Date 1993/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663900592
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
日本を離れてから3年経ちますが,その間の看護系大学の増加は,一時帰国するたびに驚かされています.23年ぶりの平成2年の指定規則改正に加えて,近年の看護系大学の急激な増加傾向は,日本の看護史上最も大きな変化といえるのではないでしょうか.それは同時に,看護婦養成のための大学教育の真の意味を,改めて看護教育者に問うているということではないでしょうか.特に海外から日本の動きを見ている私にとっては,そういう感を強くさせられています.
そうした思いのなかで,博士課程の学生としての最初の秋学期に,私は医学部医学教育学科の授業を取り,興味深い体験をしました.この医学教育学科というのは,アメリカ国内でもユニークな学科で,全米の医学部でもこの学科をもつ大学は10校に満たないと聞いています.科目名は「医療専門職教育における諸問題」といい,医師や看護婦をはじめ放射線技師や物理・理学療法士,栄養士などの,各種のパラメディカルの資格をもつ人たちが学生としてこの授業を取っていました.このクラスの最初のレポートのテーマが「カリキュラム改革(innovation)」についてで,各学生は自分の専門領域に関するカリキュラム改革について自由に論じるというものでした.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.