連載 看護教育新カリキュラムを追って・3
いま,カリキュラムとは何か―カリキュラム試論
私のカリキュラム論
高橋 照子
1
1東京慈恵会医科大学医学部看護学科
pp.202-203
発行日 1996年3月25日
Published Date 1996/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663901335
- 有料閲覧
- 文献概要
前回の昭和63年カリキュラム改訂が,社会状況の変化に応じた“看護職者のあるべき方向性”に基づいた改訂1)であるなら,今回の改訂は,大学・短期大学設置基準の大綱化に準じた看護学教育の大学教育化を促進・強化するものといえよう2).それは,看護学教育が専門職の基礎教育として,やっと他の専門職と同様に学校教育法の第一条校としての立場を明確にしようとすることであり,歓迎すべきことにちがいない.
今回の改訂では,各教育機関の自由裁量権の拡大と単位制が導入されるようだと聞いているが,これもまた,教育の本来的な在り方からみても当然のことであろう.各教育機関が自らの教育理念・目的に沿って,教師がカリキュラムを編成し,責任をもって看護学教育に携わる.また,他分野との単位互換を容易にするだろう単位制の導入により,学生が看護職という専門職につきうる学際的な知識を得やすい環境が整えられるということである.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.